朝市

朝市の様子



  マレーシアに移住して楽しみのひとつは食事、食材は実に豊富にある。多国籍の人が住んでいるので食材も多国籍。マレー料理に飽きるとインド、そしてまた和食やドイツ、イタリアとハシゴをする。和食は世界中同じ傾向があるがやはり高い。
 朝市には必ず簡易レストランが併設されている。これが意外とうまい、ペナンは華人系の人が多いせいかホッケンミー(福建麺)はどこで食べてもハズレがない。


 
 今日の写真はタンジュン・ブンガの朝市である。ペナンには朝市があちこちにあり、市民に毎日新鮮で低価格の食材を提供し続けている。多くは州立だが昔から勝手にできて定着した市場もある。町に出ればカルフールなどの巨大スーパーやコンプレックスはたくさんあるが、やはり安くて新鮮な朝市の人気は衰えない。
 マレーシアは暑い国なのでコールドシステムは必需である。でも、朝早く沖で釣った魚は冷やす間はない。山盛りの氷で十分。朝、畑で採れた野菜もそのまま持ってくる。一部を除きほとんど朝市で売れてしまう。魚などはきっと、売れる分だけ上手に獲っているのだろう。消費する我々にとって、一見原始的なシステムが定着していることはありがたいものである。新鮮さは認めるが日本人の中には衛生的な面と農薬などで危惧する人もなかにはいるようだ。 しかし、日本も賞味期限や産地をあれだけ書き換えられたら、何を信用していいやら、、こちらの原始的なやり方もそれなりに価値がある


 野菜、果物、肉に魚、塩乾物や雑貨に菓子類まで実に豊かである。肉や魚は頼めば食べやすく捌いてくれる。
 こと肉については注釈がいる。日本のように国定の宗教がない国は個人の好き嫌いで食材を選ぶが、ペナン島ではそうはいかない。多国籍ということは多宗教の人々がいるということ。たとえばイスラムの方々は決して豚は食べない。豚肉を一切使わないレストランメニューにはハラルと示されている。またヒンドゥ教徒は牛を食べない。マレーシアはお互いの宗教が尊重され、見事に共存しているところがまた魅力でもある。
 卵やバナナ、鶏肉はいつも良いものばかり揃っている。定価は食材によってばらつきはあるが、日本のそれと比べるとおよそ3分の一くらいとみていい。いちいちパック詰めなどしていないから必要なものを必要な分だけ買える。ほとんどの食材が量り売りというのもうれしい。
 個人的には写真の右奥に魚屋さんがあって、時折店頭に並ぶ大型の海老が好きだ。家に帰って夕方になると冷蔵庫から取り出し、塩で尻尾まで良く絞めて少し置き、弱火で時間をかけて焼く。これはビールと仲良しで、焼けている間の香りまでがご馳走である。
 知り合いに徹底している人がいて、七輪を買い込みバルコニーで焼くという。もちろん炭でである。隣の住民でなくて良かった。あんな良い匂いをいつも嗅がされてはたまらんからね。