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歴代首相勢ぞろい

マレーシアよどこへ行く


 前回に継続してもう一度マレーシアの話題。
 マレーシアでは先日の8日、国を挙げての下院総選挙が行われた。それによると定数222のなかで、与党連合の国民戦線(Barisan Nasional) が140議席を得て過半数を確保したが、全議席の3分の2の安定多数には届かなかったそうだ。まさかとは思っていたが野党陣営は82もの議席を獲得し勢力を大幅に拡大した。今回は通常の任期満了によるものではなかっただけに、マハティール前首相の後継者、アブドラさんが国民にどう捉えられているかを知る選挙という意味合いにおいて影響は大きいんじゃないかな。
 マレーシアという国は政府の力の強固さが国をコントロールしてきたという側面が否めない。報道管制はかなり色濃く民主主義は未熟だ、政治家や官憲の汚職は恒常化しており市民の不満は爆発寸前なんだろう・・・てなこと、、、日本人が自国を棚に上げてエラソーに言えた義理じゃないんだけどね。
 アブドラ首相は9日、辞任を否定したがそれに匹敵する結果ともいえる。現に彼を後継指名したマハティールさんが「アブドラ氏を後継者に選んだのは私の誤りだった」と言っている。当面は連立政権で凌ぐんだろうが、今後の物価上昇や多国籍・多民族社会の中で宗教対立など起こらねばいいのだが。

 写真は前回の選挙のとき、、いやいやムルデカ(独立記念日=8月31日)のようだ、、2004年、町に張り出された高さ3メートル近い政党の広告看板。歴代の首相がずらっと並んでいて実に珍しかった。 向かって一番左が初代ラーマン首相、マハティールさんは右から二番目、アブドラさんはいちばん右に笑顔で収まり、このころの与党は本当に安定していた。
 マレーシアはあまり目立たないが基本はイスラム国家、アメリカとは盛んな貿易があっても考え方で相譲る部分は少ない。アジアにあって親日的な国だがすでに中国にシフトしている。イギリスの影響をもろに受けているのでユーロとは近い関係ともいえる。ASEAN10ヶ国のリーダー的存在、、ま〜ぁ、とにかく世界的なポジションではややこしい位置関係にある。この国はこれからどこに向かうのだろう。

 ある日、海岸で『道しるべ』を見つけた(下の写真)。北に向かってボードがあるのは日本だけというのがちょっと気になる。