心の底に張り付いた紙

寒い


本当のことを決して言わない蝸牛たちがいた
繁華街には冬が座っていた
誰でもわかるような赤いスーツが底なし沼に浮いていた
子供の帽子が一つ 三分の一が欠けた煉瓦は蒸発しかけていた

だからどうしたの?
女が言った
世界中に溢れていた赤茶色の飲み物が
たった500ミリリットルの容器に吸い込まれた
あらゆる生き物が見ていたのにビスケットは粉々になり
抜けるような空に消えた


羊の群れは飛び込む崖を見失ってしまった