大手新聞研究会 〜 偽装・隠ぺい・疑惑の伏魔殿(前篇)

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 Please open your eyes! The all persons must not watch blindly.

 ほぼすべての人は世の中に『力』が存在することを知っている。しかし、すべての人は『力』を目で見ることができない。『力』は形而上のもので、カントが言う「悟性」が必要だからだ。


 ここまで記述してきた新聞のみが甘えて受ける<特殊指定>が政治屋と新聞社の結託によって生み出されたもので、鬼に渡してしまった金棒のようなものだと解説してきた。それはそれで万人の利益に繋がれば結構だが、明らかに多くの人々が被害を被っているのだから許しがたいのである。
 過去二回で詳しく書いてきたが、再販制度における特殊指定が新聞社にとっていかに有利なものかということは、あのスカム的な「赤旗」までが尾っぽを振って「制度堅持」を叫んだこと、いかに政府と癒着しているかは、自民党中川秀直を中心とした超党派の議員たちが、その制度を守る会を作って結果的に公正取引委員会を押し切った事実を見ればわかる。まさに文字通り特殊な指定なのだ。
 センセイ方がいくら与党だの野党だのと政治家を気取っていても、結局は長いものに巻かれることが証明された。言って見れば『力』のある新聞社に服従の姿勢をとったということ。本当に政治家なんて情けない、当てにならない連中だと思う。

 しかも一方では、「新聞」という立場なのに多額の政治献金すること自体おかしくないか。この項で言う『力』とは政府と新聞社勢力が持っているものをいう。それ以外のすべての人間たちは、その『力』に押し流されているだけの立場なのである。まぁ、基本的に政治はそんなものではあり、パンツについたシミのように、なかなか人から見えにくいものではあるが。


 いくら時代が過ぎてパソコンが普及しユビキタスの社会が訪れようと、人は見えないものを簡単に理解できない。だからよく分からないトクチュシテイなどと言われても見えないから被害も感じないのだろう。われわれが立っている地面がものすごいスピードで動いているなんて感じられないのと同じで…。
 やや横道にそれるが、実際は地球の自転速度は日本で時速1400kmである。それも16世紀にニコラウス・コペルニクスが地動説を唱えるまで、地球は止まっていると考えられてきた。2世紀に天動説が体系化されて以来、その誤った古い考えは大衆の圧倒的な支持を受け脈々と生きてきた。正しいことが見えなかったのである。人は一度信じたり教育されて身についたものはなかなか剥がしにくいらしい、自転車の乗り方みたいなもんで、一度覚えたら最後、それを忘れる作業のほうが難しくなる。人という生き物は実に愚鈍で愚直なのだ。
 実はそれまでにもプラトンをはじめ数人の学者が地球は動いていると考えた。しかし、周囲は「馬鹿言ってんじゃないよ」と相手にしないどころか徹底的な迫害を加える。コペルニクスもそれを怖れた。それ以降、ガリレオ・ガリレイを経てアイザック・ニュートンの登場を見るまで完結しなかった。知らない、あるいは理解していない大衆もまた逆の『力』を秘めている。その『力』を政治は利用する、よって世の中はバランスが取れる。
 新聞の横暴さを人はまだ見えていない。多くの人々は地球を中心に太陽が回っているという記事を、信じて疑わない時代に住んでいる。
 <後半は明日へつづく>