<仁王のペンダント>

仁王のペンダント


  おーい雲よ
  悠々と
  馬鹿に呑気そうじゃないか
  何処まで行くんだ
  ずっと磐城平の方まで行くんか


 この写真を見ていて、小学校のころ習った「山村暮鳥」の詩を思い出しませんか?土手の草の上かなんかにごろんと横になる。頭の下には手枕を、見上げた空に秋の雲が…。しばらく眺めていると、どんどん形を変えて何か似たものに見えるから飽きることがありません。
 写真の雲は(よくわかりませんが)巻積雲とか高積雲呼ばれるものかもしれません、秋の上空に、氷の結晶でできた雲と言われています。たぶんうろこ雲じゃないかなと見てますが違うかもしれません。あまり知識がないのです。
 余談ですが、たしか豊島区の雑司ヶ谷霊園で、山村暮鳥のお墓を見たような気がするんですが…、、最近記憶力が弱くなったことを痛感します。


 正岡子規が季節ごとに変わる雲の形を観察して「春雲は綿の如く、夏雲は岩の如く、秋雲は砂の如く、冬雲は鉛の如し」などと書き残しています。秋の雲はまるで青いキャンバスに白い絵の具で描いたような雲が空いっぱいに広がります。夏に比べると秋の雲は何となく横に広がっている感じがします。外国へ出かけるときよく話題になるジェット気流という強い風は、夏場には弱くなりますが秋は強くなる関係で、水蒸気がベターーと風で拡散する現象が発生するんでしょうね。俗に言ういわし雲とかさば雲のことでしょう。おいしそうな名前です。

 
 昨日、ゴルフの途中で見上げた空がきれいだったので、思わずシャッターを切ったうちの一枚でした。ちょうど国際線の飛行機が上昇中で、一緒に撮れたので「金剛力士のペンダント」と名前をつけておきました。「のどに刺さった魚の骨」よりは良しと思ってます。右上が顔です。
 金剛力士はそもそも、釈迦の象徴である舎利塔を護衛していた執金剛神という神が元です。やがて門の左右にその分身が安置されるようになって一対の仁王像となりました。

二体一具ですので当初は二王と呼ばれました。口を開けたのが阿形、口を閉じたのが吽形となります。これは「狛犬」と同じで、「阿吽の呼吸」の語源になりました。この雲はどちらなのかはわかりませんが、飛行機がちょうどペンダントのようで、ちょっとユニークな感じがしています。最近の神は時代とともにハイカラになって、洒落た首輪なんかしてもおかしくありません。なんか、ゴルフの片山晋吾やソフトバンクの松中が彷彿としますがなぜでしょう。
 どうですか?最近雲なんか眺めてますか?あまり忙しくてそんな暇がないという方はお気の毒ですね、「行雲流水」という言葉もあります。あまりあくせくしても始まりません。のんびり行きましょう。