ホントに辛くて怖いこと

美しい紅葉


 今日は清々しい朝だった。しかし、朝のうちに少し外出しただけで、あとは家に閉じこもっていたのが惜しかったかな。


 「読書の秋」だからというわけではないが、相変わらず好きな本を読んでいる。今読み耽っている本は「and Other Stories」という題名の本。<とっておきのアメリカ小説12編>が収まった村上春樹さん(ほか4人)のアンソロジーである。私はそのなかの「サミュエル」と「生きること」の超短編がお気に入りだ。著者のグレイス・ペイリーはテレビや雑誌でさえ見たこともない方だが、さぞかし毅然とした女性なのかもしれない。文章にそれが表れている。目線の鋭さを感じてすこし抵抗はあるが、本はものすごく興味深い内容でかつ印象深い。ここに紹介されているのは二本だがいずれベつの作品も読みたい。


「芸術の秋」だからというわけではないが、ビデオで「レ・ミゼラブル」を観た。また感動した。どうして昔はあんな心の襞(ヒダ)をくすぐるようなすばらしい作品が次々に出たのだろうか。マーロン・ブランドに限らず、ジャヴェール刑事、ロゼット、そしてその母など多くの役者の存在感には圧倒されてしまう。原作者のビクトル・ユーゴのモデルが革命を先導する若き弁護士ユリウスということに設定されている。
 最後のシーン、ジャン・ヴァルジャンは長年の呪縛から解放され、笑顔で娘(ロゼット)たちのもとへ帰っていく。しかし、二つの正義は並び立たないという哲学でも語りかけるかのように、セーヌ河畔で起きた意外な結末。ジャヴェール刑事はあまりにもかっこ良かった。私もあんな生き方に憧れてしまう。


 「食欲の秋」だからというわけではないが、相変わらず体重が下がらない。いや、下がらないのではなく徐々に上がっている。ここしばらく風呂から上がっても体重計に上がる勇気は出ない。だから余計に収拾のつかないルーティーンに入ってしまったのか。
 この徐々に上がるという恐怖は、経験者でなくては分からないかもしれない。ヒッチコックの「鳥」や「サイコ」など問題にならないくらい恐ろしい。食べないつもりでも結局それなりに食べているということなのだろう。他の方は<夏痩せ>などと言っているが、私の場合は<夏太り>してしまったのだ。そしてこれから本格的な食べ物のおいしい「秋」が来る。ア〜ァ、、、ツライ。
(写真は昨年12月、家の近所のお寺の紅葉)