木犀

木犀の花


 秋だぁ〜、誰が何といっても秋だぁ〜!
 マレーシアに三年弱住んでみたけれど、あそこはB級グルメの国で多国籍料理があって悪くはないが、この日本の秋の味覚だけはどうしても味わえず、あったとしても足元にも及ばない。(あたり前だけどね)
 生鮭が実にうまい。 鮭の身に少し塩を振る、あまり多くかけ過ぎてはいけない、ここは肝心なところ。電子レンジで酒蒸しにする。10分くらいかかるがこれも味のうちと我慢する。その間に青梗菜(ちんげんさい)を荒っぽく切ってから千切りにする。ナメタケと一緒にして少し混ぜておき待つ。鮭ができたら入れ替えて2分くらい加熱。両方できたら適当な冷蔵庫の余り物をトッピングして終り。これなら私にもできる。たまりませんね、たまにはビールをなんてつい飲んでしまった。


 今日の散歩の間中、金木犀の香りに包まれ夢見心地で歩くことができた。小鳥はあれほど小さい体であれほど周囲に聞こえる声が出せる。金木犀もあの小さな花のどこに、あれほど魅力的な高い香りを秘めているのか不思議でならない。中国原産で徳川時代に渡来したと教わった。木犀と一口にいっても金や銀、中には赤もある。拙宅にも庭に一本の小さい木犀があって、二階にいるとそこそこ楽しませてくれる。


 金木犀しきたり多き家に匂ふ  野沢節子