カラオケは健康に良いぞ

秋の空


 今日は11日に掲載した「あいだけ売り」の作者、利根川純一さんとカラオケに行った。利根川さんはカラオケがソートー好きなんじゃないかな?カラオケボックスは昨今客が少ないせいか、平日の日中ならドヒャーとあきれるほど安く使わせてくれる。利根川さんはこれで電気代が出るの?と心配していた。ウンウン、ホントね。
 利根川さんは気持ちよく歌う。こっちは自慢じゃないがあまり褒められたものではない。でも狭い部屋でガンガン、ボリュームボタンがこれ以上動かないというくらい音を上げてガナっていると、下界じゃなんか騒いでるんかいなテナ具合で、すっかり忘れるどころかアホらしくなる。帰り道で利根川さんも同感だねと笑っていた。
 しかし不思議なもんで、カラオケボックスを出ると世俗に塗れた普通の人間に戻ってしまう。あそこは別な世界なんだ。歩きながら私が「でも、一年前さ、自民党の総裁選挙でね、谷垣+麻生の票以上に安倍さんが票を集め、世間の支持率も70%以上あった安倍総理が、たった一年で『無責任総理!』なんて言われるなんてあのとき想像できなかったよね。あの7割の人たちは何処に行っちゃったんだろう」と半分冗談をいうと、利根川さんはずいぶん長いこと沈黙していた。われわれは緩い登り坂にさしかかっていた。買い物帰りのおばさんが自転車を降りヨロヨロと押して歩いている。やがて利根川さんは「責任ある人に無責任な人たちが言ってるンだからバランスは取れてるンじゃない。一本書けるね」と言っていた。散策したのは住宅街だったが、ところどころに花が咲いていて結構な時間歩いたが飽きることがなかった。