自然の前では、人は小さいね

無心に咲く花たち


 台風一過、とはいうものの夕方まで強い風が吹いていた。しばらく大人しくしているかと思うと突風に急襲される。帽子が飛ばされそうで頭を押さえる、ひと呼吸してまた静かな夕方の空気が戻るという調子だった。
 いつもの散歩コース踏みしめると聞こえる靴底の音、道いっぱいに落ち葉・木の実・そして小枝で埋まり、過ぎ去った台風がビジュアルな存在感を残していった。落ちている小枝の中には直径が1センチを優に超えるものまであった。しばらく恵みの雨が降らなかったせいで、30メートルほどの丘の樹木たちも焼けてしまって葉の色が黄ばんでいたが、昨日からのお湿りは彼らに生気を蘇らせてくれるだろう。
 今日は歩いていてすごく気持ちよかった、爽やかな風があったせいだろう。歩きながら傍らの花壇の花を眺めた。良く見ると蝶や蜂の訪問客で結構賑わっている。人間はややこしい一生を過すが、丘の樹木や花壇の花は実にシンプルな生き方をしている。写真の花々を見ていると昨日激しい暴風があったなんて誰も信じやしない。