こんな日は読書 

Japanese pampas grass


 もうすぐ日付が変わろうとしている。非常に強い台風9号が接近していて、間もなく千葉県にも上陸するという予報なので雨戸という雨戸はすでに完全に閉ざされた。家そのものがまるで甲冑に身を固め、戦場で敵を迎え撃つサムライの状態になっている。外では時間を追うごとに風が強くなり、その雨戸を揺さぶる音は巨大な風の妖怪が侵入場所を探して家を舐めまわしているかのようだ。
 よく英語読みで「タイフーン」と呼ばれるが、これは「SUSHI」や「TSUNAMI」の流れと異なり、むしろ「タイフーン」から日本語の台風が生まれたという説が有力だ。また「ハリケーン」と「タイフーン」の違いもはっきりしていて、発生場所が東経180度を境に西なら「タイフーン」、東なら「ハリケーン」となるだけのようである。
 いずれも熱帯性低気圧という点で変わりがなく、最大風速が毎分の平均で64ノット/秒が条件だという。64ノットというと毎秒32メートルくらいか。また太平洋上ではなくインド洋上に発生する台風は「サイクロン」と呼ばれ、それぞれ発生場所の土地の言葉で語源は変わってくる。
 日本の台風も多くの被害をもたらすほど強力だが、マレーシアの「モンスーン」もバカにできなかった。「モンスーン」は雨期に吹く季節風のこと、語源はアラビア語で「季節」の意味。特にコンドミニアムの上階に住む人は夜も寝られないほど暴風雨の音で一晩中悩まされる。

 今日は一日中一歩も外に出なかった、出ようとすると突然降り始める、しかも強い雨だった。それではと外出を完全に諦め本を読んだ、いや読み耽った。好きなCDを聞きながら集中して読めたのも「タイフーン」のおかげかもしれない。