盛夏を過ぎて成果あり

 今日は秋の陽気に誘われて河川敷に玉ころがしに行って来た。実際の<秋>は朝のうちだけで、午後からはカッと太陽が照りつけてかなり暑かった。河川敷でスコア管理に値するコースではなかったが、すこし独特な色をした百日紅が咲き乱れしばしわれわれの目を奪った。
 河川敷の良いところは距離がキッチリあるところ、必ずしもライが良いとは言えないこと、風がまともに吹き抜けることで私は調整ラウンドは河川敷に決めている。何よりも安くて文句がない。
 今年1月に自分の還暦祝いとか勝手に理由をつけてアイアンを5年ぶりに交換した。マルマンからミズノのS-100にである、少しの勇気が必要だった、そしてシャフトは思い切ってレギュラーにした。そのミズノがいくら使っても私の手になかなか馴染んでくれない。高さ、飛距離、方向性いずれもである。腕が悪いと言ってしまってはそれ以上話が進まないが、以前のマルマンに比べてのことと言えばいいだろうか。
 それがどうだろう、今日初めて納得のいくボールが出た。それも一日中である。気持ちの良いボールが青空に吸い込まれていく残像が目に浮かぶ。久々の感触は自分をボール以上に舞い上がらせてくれた。飛距離が明らかに違ってきて、いつもの番手で打ったのに何度グリーンをオーバーしたことか。変えたところは芯(打点)の位置を浅目にしたことだけだった。いままでは自分の中でハーフトップという部類に入る位置だった。ゴルフはちょっと変えただけで劇的な変化をもたらすスポーツだ。きっとそういう性格のクラブだったのに、自分が気付かず<クラブに合わせて振る>という原則を忘れていたことが8カ月の時間を費やした原因かもしれない。面白いことにドライバーが同調するように良くなり、忘れかけていた飛距離を取り戻してくれた。こちらは自己的基本三原則を再確認し、徹底的にかつ忠実に守っただけだった。ゴルフの不安定期は長いが、ある日突然濃いキリが晴れることを実感した一日だった。

 グリーンの遅さと砲台グリーンに手こずって爆発的なスコアにはならなかったが、ショットのことだけを考えるとウキウキした気分になれた。うれしくなってあっという間に1.5ラウンドを消化したが、それでも物足らない気分だった。
 それにしても、ついにS-100を自分のものにしたか!でも、待てよ、過去35年間に何回『開眼した!』と叫んだことだろう、そして一晩寝た後の逆戻りの鮮やかなことか。そうだ、今日から寝ないことにしよう。