暑さも本番

みずき公園


 今日は全英女子オープンに刺激されたわけではないが二人でゴルフに行ってきた。格安のコースを探して行くにしてもこの炎天下だ、好きでなければとてもやってられない。帰ってきてから気象情報を聞いていたら最高気温が34度くらいあったそうだ、芝生の上はプラス5度くらいになっていたかもしれない。
 18ホールを無事終えて風呂場へ、辛さと喜びはシンメトリーである。容赦なく照りつける太陽、毛穴から噴出する汗にまみれコースと悪戦苦闘したご褒美は冷水シャワー。これを味わえるなら多少のことには耐えられる。ゴルフなんて年齢的にそうそううまくなることもないだろう、とにかく歩いて少しでも健康を維持したいということに軸足がある。
 脱衣場で年配者のグループが口々に「今日は地獄だった」などと話していたがそれほどには感じなかった。暑さ対策は赤道に近いペナン島で学び、体を暑さに耐えられるよう馴らしてきた成果が多少なりともあるのかもしれない。でも日本の本当の猛暑シーズンはペナンの暑さよりずっと厳しいものがある。さすがに最近コースで多く見受けるご婦人方はほとんどいなかった。お肌の日焼けや熱中症が気になるんだろう。そりゃそうだろうな。

 少し遠回りしての帰路、広々としてなんとも雰囲気の良い公園を発見した。とても黙って通り過ぎるにはもったいない、近くのコンビニで飲み物とアイスクリームを買って、木陰のベンチで小一時間涼んできた。
 吹き抜ける風は例えがたいほど爽やかだった。家の中でクーラーに当たるなんていかにつまらないことかとしみじみ思った。中央の草広場は一面の蓮華畑だったらしい、そこを取り囲むように林が日陰を作り、それとなく立っているバスケットボールのリンク、こジャレた時計台、青い空に浮かぶ雲は瞬時に形を変える、それほど変哲のない公園だったが、なにより髪をそよがせて通り過ぎる自然の風の清涼感に勝るものはない。走り回る数人の小学生たちはおでこの汗に髪を貼り付け、後ろの大きな木では蝉たちが余が世とばかりに啼き、広げたまま足もとに置いた日傘にトンボがとまった。スローな時間が音もなく過ぎて行く。