アラマンダ

Allamanda schottii(=neriifolia)


 私は55歳でリタイアした。ちょっと早かったが高校生時代から海外生活に強烈に憧れていて、ヒョンなきっかけがあったことと身辺の環境が整っていたことが決断の後押しをした。全く先のことを考えない性格で、昔から<向こう見ず>と何度言われたことか。
 その当時、この機会を逃したら一生できないぞという自己本位の、実に都合が良い強迫観念を持っていた。要は矢も楯も堪らなかっただけである。そっちに気持ちが向いたら後戻りできない性格で、本人はそれまで身を粉にして働いたのだから少しゆっくり休ませてもらい、いずれ帰国したらまた働けばいい位のいい加減な計画を持っていた。
 
 行った先はマレーシアのペナンという小さい島、最近よく聞く海外ロングステイというやつでそれでも帰国するまで3年弱は滞在していたことになる。
 高校時代から憧れていたという話とステイしていたころを思い出すと、取り留めのないそしてものすごく長い話になる。ブログで日記を書くことになったので自分の記録として留めておくのもまた由かな、気の向くまま折にふれぼちぼち書いてみようかと思っている。

 彼の地に四季はない、季節は若干あるがあまり明確ではない。北緯5度ちょっと、赤道が近いのだから年間通じて太陽の動きに変化がない。日の出も日の入りも気候も気温も母の手のぬくもりが如く取り立てて言うほどの変わり映えはない。
 花も一年中咲いているが、私は今頃のアラマンダが好きだった。熱帯性の低木といわれ草丈が5〜60センチのものから大きいものでは5メートルくらいのものもあった。日本ではアリアケカズラと呼ばれているものが栽培されている。日本の冬はさすがに厳しくいくら温暖化といっても5度以下では冬は越せない。それにあちらのアラマンダは色も形も写真のように実にすばらしい。なぜかちらっと思い出した。