コーヒー

もうだいぶいただきました


 今までの人生でコーヒーを好きになったことはない。しかし、飲めないほど嫌いというわけでもない。近くの人が飲んでいるコーヒーの香りが風に乗って漂ってくる、あの豆の香りは好きだ。会議のような人の集まりで何か飲みませんかと注文を聞かれると、ほかの方がコーヒーというからそれを頼むことはあった。基本的に若い時から喫茶店が嫌いなこともあって、ほとんど積極的に飲むことはなかった。

 反面、紅茶はものすごく好きで一日何杯でも飲む。以前、ネパールの村おこしボランティアをしていた頃は、カトマンドゥに行くたびに1キロ入りのダージリンを買った。これでちょうど一年が楽しめた。

 昨夜のこと、無性にコーヒーが飲みたくなった。もう居ても経ってもいられないほど。衝動的に動く癖は以前からある、思い立ったら果たさないと気が済まないところがあった。それにしても突然、、なぜなんだろう、自分でもわからない??酒をしばらく飲んでないことも影響してるんだろうか、酒を飲んでないとどうも夜は手持無沙汰で間が持たない。

 歩いて3分はかかるコンビニへ出かけて買ってきた。時間は夜の11時。
 何を買ったら良いのか分からない、NESCAFEが袋に小分けされ、ミルクや砂糖もセットになっているものを選んだ。早速、お湯を沸かして粉末を溶かし飲んだ。おいしかった。通はこんなの飲まないんだろうな、まっ、いいか、、しばらくは「コーヒー」というヤツを飲んでみようかな。


 ところで、夕食のとき細君に「今日は記念日ね」と言われすぐに気づいた。31年前、7月7日が初対面だったっけ、今日が七夕なので忘れることはない。しかしどうだい、あのころの細君はもう細君ではない、太君になっている。そのギャグを言おうとして危うく喉元で寸止めした。人ごとではなく私自身が当時の倍になってる。アブナイアブナイ。
 このテの軽いギャグが相方に通じなかったとき、どれほど事後処理に苦労するか、よ〜く知っている。もう、数え切れないほど経験してきた。なるほど、このへんだね、伊達や酔狂で31年は過ごしてないんだ、アプローチショットがピタッと決まったときの気分に似て、思わず小さなガッツポーズをしてしまった。