ペナン島の風景〜第3回

昼のフェリンギビーチ

バトゥ・フェリンギを歩く


 日本から飛行機で南下すること約7時間、マレーシアのKL(クアラルンプール)国際空港に到着する。時差は1時間。余談だがこの空港は最近亡くなった黒川紀章さんの設計とか聞いた。KLで乗り換え1時間足らずで「東洋の真珠」と言われたペナン島に到着する。
 なぜ「東洋の真珠」と呼んだのかは調べたことがない。ペニンシュラ(Peninsular)半島を指に見立てて真珠の指輪に見えたのか、飛行機が空港に舞い降りるとき早くから開けたジョージタウンが眼下に煌々と光って見えたのでそうなぞらえたのか、、そんな感じじゃないかな。
 かつてはペナン行きの直行便が出ていた。2003年、例のSARS騒ぎがあって中止になった。タイのバンコクの真南にあたり、カンボジアとの間には大きな南シナ海がある。ちょうど北緯5度あたりがペナンである。マレーシア国土は西の半島部(Peninsular)と、東のボルネオ島(Kalimantan)に分かれていて、総面積は日本と大差がない。ペナンはマレー半島の西海岸に位置し、ペナンに初めて来たとき「ペナンは亀の形をしています」とガイドが言っていた。地図を見てなるほどと思う。
 総面積は東京の環七以内程度で285平方キロ、東西15キロ、南北24キロ、島だけで70万人が暮らしているといわれる。
 亀の右手にあたるジョージタウンはマレーシア第二の商業都市で、近代的なショッピングセンターが多い。かつて、ヤオハンやSOGOなどがあったため、大きいショッピングモールには、日本の製品や食品が数多く並び、各国の食品専門店もある。
 町の中心部と、北端(亀の頭)部には五つ星四つ星のホテルがひしめき合っている。特に北部には有名なラササヤンホテル、ゴールデンサンドリゾートホテル、ムティアラホテルなど高級感と南国情緒豊かなホテルが立ち並んで一大観光地を形成している。
 日常生活は英語で事足り、医療レベルはきわめて高い。台風や地震がなく英国植民地時代の香りが強く残り、イスラム系・マレー系・インド系・中国系など多種の文化、宗教、人種がお互いを尊重しつつ共存している。これほどたくさんの国の文化が、社会的バランスよく構成している国は見たことがない。
 ペナン島は比較的中国色が濃いいのだが街は英国統治時代のコロニアル建築が並んでいたり、街中の大通りには樹齢100年クラスの街路樹が整然と並び道に影を落とす。 市中を散策すればエキゾチックな雰囲気が思い切り味わえるだろう。しかし、老朽化もあり街は開発の波に洗われ始めている。近未来、加速度をつけて再開発される可能性がないでもない。ペナン島は比較的治安がよく、日系企業が多く進出している。最近中国にシフトされてだいぶ減ったようだが、定年後のロングステイヤーも含めると日本人が1,200〜1,300人(推定)ほど住んでいるという。


 今回の動画では主に島の北部バトゥ・フェリンギを紹介してみた。