観音寺

朝日を背に浴びる大師像

後光射す大師象


 一日限定と思いきや、早朝の散歩が何となく続いている。それでもこの寒さだからそのうち億劫になるだろう。とにかく生来の物臭、その上飽きっぽさは人一倍だからだ。
 私の散歩コースは4本ある。家を中心に据えて単純に「東・西・南・北」と設えた。今日は東コース、観音寺を経由する一時間ちょっとのルートである。
 観音寺の朝は澄んだ空気の中に鳥がさえずり朝靄が立ち込め実に幻想的で、数百年前旅に出た僧侶がその深い靄の中からふっと現れてもおかしくないある種の緊張感が漂う。1997年だったかな、ブラッド・ピット主演の『セブン・イヤーズ・イン・チベット』(Seven Years in Tibet)に良く似たシーンがあったのを思い出す。
 送り大師様の像がそんな想像を掻き立てたのかもしれない。私の体からも湯気が立ち込めていた。