ヤブランの花

群生するヤブラン


 「ヤブラン」ご存知でしょうか?ヤブランは「藪蘭」と書きます。なぜ蘭なのか、連想しにくくちょっと良くわかりません。
 昨日、ひたち海浜公園で生まれて初めてお目にかかった花です。紫色の小さな花が穂状についていて、そっと触ると何とも柔らかい毛糸のようなタッチでした。写真のように群生すると、思わず「ほ--ぉ!!」と言いたくなるほどきれいです。


 園内で働く方に尋ねたところ、8月の下旬から10月にかけて結構長期間美しく咲く花で、秋には黒紫色の小さな果実がつくそうです。
 花が咲くというとすぐに春を思い起こしますが、秋の始まりにも花を咲かせる植物があるなんて嬉しいですね。おそらく、時期から推測すると東南アジア辺りの花かもしれません、日本の暑い夏に咲くという話ですから…。いままで見かけたことがなかったのですが、これからは藪蘭を見て秋の訪れを感じることにします。
 学名のLiriope(リリオペ)は、ギリシャ神話の女神の名前に由来しているとか。別名「山菅」(やますげ)と呼ばれ、万葉集にもその名前で歌われたことがあるそうです。


 ここ国営ひたち海浜公園ではボランティアの方が育てる広いお花畑があって、その中に咲いていたものです。こういった取り組みはなかなか良いなと思いました。自治体が空いている土地を開放して、ボランティアが心をこめて花を栽培する。地元の専門家や大学の教師などと一緒に指導を受けながら育てることができるなら参加しようかな、なんて考えてしまいました。