雨の降る日は足元注意

演歌だねぇ、、、


 今日は昨日にワをかけて寒い上に雨ときた。昨日から長いランニングパンツと長袖のゴルフシャツで寒さに対応してきたが、部屋の中でも17度あたりまで冷えてきたのでベストを着込んだ。早速ヨメに「わっ、なにそれ!冬が来たみたい」とからかわれた。ほっといてくれ。こういう時期なんです、油断するとすぐに風邪ひくのは。まだ寒さに対して体の準備が整ってないからあまり甘く見ない方が良いよ。なんせ、風邪をひいて寝込んだのははるか4年と半年前、それもペナンで空調のスイッチを切り忘れて寝てしまった時以来引いてないんだ。記録は伸ばすためにある。
 こんな日は部屋に閉じこもっているしかないのだが、パソコンでオリジナルCDを作りたくなって近所のレンタル屋さんへ出かけた。こんな雨なのに人が結構いる、それに子供もたくさん、あぁ日曜日だったっけ。気に入ったCDを5枚借りてきて二枚のオリジナルができた。そぼ降る雨の音を聞きながら、リプトンの安い紅茶を何杯も口に運びできたてのオリジナルCDを流す、これもまた楽しからずや。
 本を読むなら「海辺のカフカ」なんかが良いかなと、買ってから机の上に置き去りになっていた上巻を手にして読む。外の雨は一段と強くなった。我が家の周辺は普段から静かな住宅街だが、雨が降ると雰囲気の違う静けさに包まれる。2時間くらいしたら理由もなく映画が見たくなった、よし!行こうかなと思ったが<まてよ、今日は日曜日か>と再び思い起こし行くのを止めた。(基本的に曜日のことは頭にない。ないから5分で忘れる)平日に自由が利く身なのでなにも混雑した土日にノコノコ出かけることはない。待てば海路というではないか、明日にしよう。

 借りてきたCDの中に、伊勢正三さんの詩があった、もう25年位前のものだろうか。「雨の物語」という題名だった。
 化粧する君の その背中がとても
 小さく見えて しかたないから
 僕はまだ君を 愛しているんだろう
 そんなことふと思いながら
    窓の外は雨 雨が降っている
    物語の終わりに
    こんな雨の日 似合いすぎてる

 -----------目を閉じてじっと聞いていた。
 私はどこか北国の漁村をあてもなく旅していた。今夜泊まる宿さえ決めてない旅だった。そぼ降る雨は朝から止む素振りもない。私の心はぐっしょり濡れたコートより重かった。別れてきた女のことが脳裏に浮かぶ。寂しい思いをしてないだろうか、泣いてないかな。そろそろ化粧してお店に行く時間だろう、きっとお酒が忘れさせてくれるさ、辛いのはお互いさまなんだ、義理に背いて生きる男の心をいつか分かってくれるだろう----------(演歌だねぇ、、、)
 私の頭の中は暗くなっていく寂びれた港の風景、白い糸のような雨、たった今漁から戻ったばかりの船を照らす明かりも潤む情景で満たされていた。と、その時、階下から声が聞こえた。「お夕飯できたわよ、今日は新サンマ、早くしないと冷めちゃうから、、、」
「・・・・・・」港の明かりは消え、岸壁で足を踏み外した私は暗い海にドォバァーーーーーンと落ちて行った。 
 雨の日は足元にご注意を。