ショート・ムービー

ある週末の動物園 〜 オランウータンの親子ほか

 今日は暖かな一日だった。風もなく暑いくらいで、車の空調をかけたら冷房になっていたので「ホゥ!」と驚いた。季節が春を飛び越えて夏になっては困る、特に良い季節は長持ちしてもらいたいものだ。とにかく日本の夏と冬は厳しい。
 今日もすこし編集を加えた動画をアップしてみた。「ある週末の動物園」というテーマ。こんな短い、わずか1分半程度のものでも『平和』を念頭に置いて作品化することができる、何と便利で楽しい時代になったものかと改めて感じる。
 最初の登場人物(?)はオランウータンの親子、マレー語で「森(Utan)の人(Orang)」という意味。マレーシアに住んでいた頃、日本人グループがなにか会など作るとよくこのオランを使っていた。たとえば<オランアスリ>のように。この動画に出てくる親子は優しそうなお母さんといたずら坊主、いやおてんば娘かな。オランウータンは例外を除き一頭ずつ生まれる。そして8〜9歳くらいまで母親と離れずに暮らす。けっこう甘えん坊なのだ。
 そもそも動物好きな自分は動物園が大好き、海外に行くとほとんど例外なく動物園を訪ねて歩いた。ここ市川動物園でも30分くらいじっとオランウータンを眺めていた、一日見ていても飽きない。
 オランウータンは類人猿である。特徴的なことは他の類人猿がアフリカ大陸を生息地とするのに対し、彼らは東南アジアのスマトラ島ボルネオ島熱帯雨林にのみ生息するということ。シンガポールの動物園でも彼らに会ってきた。あそこは環境に恵まれていて、彼らの伸び伸びと暮らす様子がうかがえた。本来、オランウータンは樹上生活者であり、大きな大人のオス以外は基本的に地面におりることはない。でもこういった動物園では生態が少し変わるのかもしれない。
 いずれにせよこの二人を見ているとまさに平和そのものだ。暫定税率がドーシタとか言って騒ぐことはない。ありのままに生きありのままに死ぬ。浄土の教えもなければキリストも知らない。絶滅が危惧されているが、彼らはすべての天命を穏やかに受け止められる度量というか器量が備わっているのではないかとさえ思わせる。